定点観測な人生
先の火曜、この3月に転勤で名古屋を離れるお客様ときんぼし伏見店に行く。そのお客さまは全国に転勤のあるお仕事で前回7年前名古屋が任地になり散歩の途中当店を発見し下見の上オーダーを頂いた。オーダーの際いろんなお話を聞いて、そしていろんな話をして仲良くさせていただいた。一年前また名古屋に勤めることになったと連絡いただきそれから何着もオーダーいただいた。一年の短い付き合いだったが、別れがたい気がして忙しい時間を割いて頂き一緒に飲むことととなった次第。同じように転勤がある方が名古屋支社にいる間に当店でオーダーされることは本当に多い。そんなかたを新緑のころに迎え、そしてサクラが咲き始める3月に見送る私自身はずっと名古屋のここ錦三丁目でずっと生まれてこのかた住み続けて店を構えているいわば定点観測的人生。こういう人生はよくあるようで実は案外少ないかもしれない。家族でさえずっとおなじ場所で住む人生を送っているわけでない。弟たちは名古屋の違う場所で別の世帯を持ち、母親は静岡で生まれ、妻は浜松出身。いまや息子、娘も別れて住んでいる。

晴耕雨読
次の水曜日は朝から雨。春分の日なのでお彼岸だから墓参りもいかなければいけないが雨の墓参は辛い。家で読書することに。なにを読んでいるかというとヘブライ大学教授ユヴァル・ノア・ハラリ著「サピエンス全史」上巻下巻。丸善栄店の店頭に平積みになっていたのでなにげなく手に取り、とりあえず上巻を買って読み始めた。タイトルに興味をひいて買ってみても読み始めるとくだらない本が溢れている昨今、この本やたらおもしろい。ホモサピエンスがなぜここまで繁栄したかということについて人類とは、宗教とは、貨幣とは、経済とは、歴史とはを説明しというともすれば難解になる内容を極めて平易な文章で書いてある。最近読んだ本でこんなにエキサイティングな本があったかと思うほど。内容はネタバレになるので書かないが2ページに一度はオオっそうなんだ!と驚いたりする記述がある。文章が平易なのがまたすばらしいし例え話も面白い。一巻200ページ以上だが読み進めていくうちに読み終わるのが残念に思えてくる。巻末を見るとなんと47刷。読んでみると売れる理由がわかります。
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