渋沢さんとは縁がある。
マエストロ西村の所属する御幸毛織の親会社は東洋紡東洋紡は近く2024年にお札になる澁澤栄一が作った会社の一つ。澁澤栄一は天保11年現在の埼玉県深谷市血洗島に生まれた。深谷はたまたま我が妹が住む街で一度遊びに行ったことがあり、街の規模に似合わず立派でクラシカルな駅舎で知られている。澁澤栄一翁の伝記を読んだことがある。幕末の志士から明治初期の大蔵官僚に転じ、その後民間に戻り第一銀行に始まり、現一橋大学設立、多種多様の会社設立に関わり、その数は500以上といわれている。朝、必ず来訪者の話を聞く時間を作っていて、起業の話をずっと聞き続けた。その中には胡散臭い話が山ほどある中で、銭儲けではなく日本の将来にとって必要な仕事を選び、力を貸していたそうだ。近代日本の礎は翁がいたからこそ築けたと言えるかもしれない。

ゼニアジャパンのシブサワさん
当店と25年の長きに渡り直接取り引きしているゼニアジャパンで現在担当してくれるのがシブサワさん。彼もじつは血洗島に元を発する澁澤一族の末裔。現在はないが紳士服地の輸入ではトップクラスだった商社に在籍したあとゼニアジャパンに入社。イタリア語も駆使して全国の営業に活躍している。先週も来社いただき、カシミアジャケット素材を買わせていただいた。
DSC09391
カシミア100% イタリアから届いたら正式に紹介します。
DSC09392
カシミア100%イタリアから届いたら正式に紹介します。
DSC09398
15mil mil 15 イタリアから届いたら正式に紹介します。
あこがれのダンディ澁澤龍彦
博識、博学の人でフランス文学者にして作家、1987年に亡くなった澁澤龍彦の評伝を買ってこのところ読んでいる。この方も血洗島に源を発する澁澤家の末裔。幼児のころ澁澤栄一翁に抱かれオネショをしたと言う武勇伝?が伝えられている。三島由紀夫との親交、マルキ・ド・サドの翻訳「悪徳の栄え」裁判で知られているが、スタイリストでダンディズムに富んだ生涯を送った。サドや黒魔術、欧州の怪物など難解で不思議な世界をかたっても澄んで清らかな文章だった澁澤先生の評伝はどこまでも面白い。

IMG_3153
いま読んでいる「龍彦親王航海記」
IMG_3183
我が大切な蔵書