御幸毛織、西村錠氏がサイジングマエストロになるために当店で研修を重ねているマエストロプロジェクト。今日は西村錠氏本人自身でサイジングしてもらい、サイジングのすばらしさ、妙味を感じてもらうために自分でまず一着をサイジングしてそれからそれを見ながらもう一着、調整するところがあれば調整してサイジングし直すというテストをした。
1.8月下旬、西村氏とどの服地を第一回目のサイジングテストとするかを検討。そこでサンプルの意味もあるエルメネジルド・ゼニア、エレクタ133ブラウンチェックを選択。店主がアドバイスをしながらセルフサイジング。服地とサイジングデータを縫製工場に送り、出来上がりを待つことに。

2.9月中旬、縫製工場から出来上がってくる。この素材は柔らかい素材でタテ・ヨコ方向に自然なストレッチ性があるため、マイルドな出来上がりとなる。感想としては大人っぽい印象でいい感じ。

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これが第一着目となるエルメネジルド・ゼニア、ブラウンチェック。

3.9月下旬、サイジングについては2着目が重要となる。西村氏と店主でエルメネジルド・ゼニア、エレクタ133ブラウンチェックで仕立てたスーツの細部のサイジングを観察し、2着目のサイジングテストは以下のように決めた。

  • 上着丈71から70に短く。
  • 半胴を44から43に細く。
  • パンツひざ巾22から21に。
  • すそ巾18から17に。

そして素材はウインタータスマニアン150ミディアムダークグレーパープルストライプに決め、縫製工場に送り昨日出来上がった。

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2着目のサイジングテスト。ロロ・ピアーナウインタータスマニアン150を材料に選ぶとさすがに格調がでてきたのがわかる。細いながら立体感が十分あるスーツに仕上がった。

素材感の違いはサイジングに大きく影響する。
一着目のエルメネジルド・ゼニア、ブラウンチェックは380g/mの厚みがあるがタテ・ヨコに自然なストレッチ性能がある素材。だから同じサイズでもゆったり感じる。ウインタータスマニアンはスーパー150の細番手をぎゅっと打ち込みをしっかり凝縮した感じのある素材。ツヤも豊かなのでスリム感は強くなる。ということで実際の寸法、サイズだけでなく素材によってサイズのインプレッションは大きく変わるということが西村氏も実感したはず。