12月もなかばを過ぎ押し迫ってきた今、新たにスーツ・ジャケットをオーダーをするお客様より、仕上がったスーツ・ジャケットの納品のお客様が多い時期です。毎日お越しになる多くのお客様が洋服を試着した瞬間、ご満足いただく姿をみると本当に縫製現場で努力してくれるスタッフの顔が浮かんできます。
わたしもこの仕事について40年近くになりますが、以前は出来上がってくる製品の品質にバラつきも正直ありました。ですからうまく出来上がったかどうかドキドキしながら納品することもありましたが、いまはそんな心配はありません。仕上がった洋服はすべて寸法が正しく安定しています。昼過ぎに縫製工場のナカムラ営業課長が来店、仕立てあがってきたスーツ、ジャケットのクオリティが安定してきた理由を話してくれました。洋服のパターンを深く研究し極めたミラノの洋服学校セコリのメソッドを取り入れた柴山登光先生の慧眼。そして裁断についてはパターンの再現性に大きく寄与した CAD/CAMの導入が大きいとのこと。コンピュータの数値処理、画像処理技術を駆使したCAD/CAMが導入する以前はすべて手作業で裁断していました。いまでもハサミをあやつり服地をカットしているテーラーのイメージ画像をよく見ます。でもこと裁断に関しては人の思い込みを排除しミスのないCAD/CAMの再現性が遥かに高いのです。
良い天然材料を使った品格の高いクラシックなスーツを、CAD/CAMのような新しい技術の助けを借りながらこれからもずっと目指しています。
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 納品を待つ洋服。