先月からの水木休み。最初はどこに行こうかといろいろ逡巡したが、休みに遊ばなくてはいけないと言う規則などどこにも無い。雨の日、誰もお客様の来ない店でひとり静かに事務仕事をこなす時間も悪くないと気づいた。このブログも書ける。今流行りの言葉なら無観客試合ならぬ無顧客営業。

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鈴木茂さんのライブで聞いた大滝詠一さんのアルバムをあらためて3枚買って聴いてみた。新たな発見が2つ。
はっぴいえんどはライブ、企画物を除くと「ゆでめん」「風街ろまん」「HAPPY END」の3枚のアルバムを出したことが知られている。だがCDに同封のライナーノートを読むと実はソロアルバム「大瀧詠一」もはっぴいえんどのあと3人のメンバーによって作られていたことがわかる。はっぴいえんどの一枚として数えていい。従ってはっぴいえんどのアルバムは実質4枚。それが第一の発見。
ソロアルバム「大瀧詠一」はささいないざこざで今は会わなくなった友人モガミの家で高校の頃よく聞いた覚えがある。曲を順を追って聞いているとその頃のおもいでがあざやかに蘇る。
もうひとつの発見は自分の習性。このソロアルバム「大瀧詠一」の頃は大好きだったのに大ブレイクした「ロングバケーション」で知られるようになると心が離れてしまった。マイナーな頃は好きなのにメジャーになるとどうもいけない。
あの村上春樹さんもデビュー作「風の歌を聞け」の頃は熱狂的に好きで、千駄ヶ谷で「ピーターキャット」という店をやっていた村上さんに会いに行ったりした。でも「ノルウェイの森」でビッグヒットをとばすとなんかだめ。「ノルウェイの森」は読んですらいない。山下達郎もシュガーベイブの頃は好きだったが「クリスマスイヴ」以降聞かなくなる。細野晴臣さんも「Hosono house」は好きだったのにYMOは聞いていない。アップルもジョブズが戻る以前のつぶれかけの頃がいちばん好きだった。
マイナーでがんばったひとがメジャーになることはもちろん喜ばしいことだ。それを喜べないマイナー好きのまがった性格は自分でもイヤになる。