いま日本経済新聞「私の履歴書」でプロゴルファートムワトソンがじぶんの生涯を書いている。翻訳文だが彼の誠実な人柄が文章から伝わり毎朝読むのを楽しみしている。その文のなかにゴルフに付き物のプレッシャーに勝つ方法が書いてあった、より高いレベルところで競う、それがプレッシャーに勝つ唯一の方法だそうだ。そうかだから僕はヘタなのかと合点がいった。芝生の上の芝生の上にある白い球、スイングするとそれが空に舞い上がり遠くの緑色の大地に向かい空中を何秒か浮遊する。その間のエクスタシーがぼくがゴルフを愛する理由だ。そんな気持ち良さだけを求めているだけで誰かに勝ちたいとかまったく思っていない。ニギリと言われるゴルフの賭けも大嫌い、同じ組にタカビーなシングルプレイヤーがいるとそれだけでイヤになってしまうヘタレさ。だから上手くならなかったんだ。練習は大好きで週に何回かゴルフ練習場に通ってるのに。こんな練習してもどうして上手くならないんだと思いながら。
ずっと通いつづけている柳橋から江川線を南に行ったところのMIDゴルフ練習場が今週営業を終了する。松下の関連会社が所有の土地だったので近年、松下の業績が落ちて経営がかんばしくなくなってきて、いつかはここもなくなるなと予感はしていたが今年の二月だったかその決定は下った。10年は間違いなく通っただろう、友人のしもちゃんは全くのゴルフ初心者だったが毎週土曜日朝ここでぼくがすこし手ほどきをして、いまはらくらく90を切ってまわれるようになった。早朝は入場料もいらず値段もたかくなかったので行くのは朝ばかりだったが何人かゴルファーとも顔見知りもできて、ときどきスイング談義に花を咲かせた。我が家から車で10分、歩いて30分でダイエットのために歩いて行くことも多くぼくにとってはほんとうにいい遊び場だったと言える。
もう明日が最終日でぼくが行けるのは昨日が最後、フロントの方にいままでの感謝の言葉をいってこの日に会った何人かの顔見知りの方にも挨拶した。ここは近くていい練習場だったねえとみんな口々に言ってなごりを惜しんだ。でもこれでゴルフ人生が終わる訳ではないのでどっか別の練習場を見つけ通おう。ヘタでも楽しいのがゴルフというものだから。
真ん中の席がぼくの定位置、そこから180の字をめがけてスイングした。
朝の練習場。ぼくの好きな時間
顔見知りの近藤さん。この方とのスイング談議も楽しかった。
おせわになったフロントの安藤さん。