昨日は中日ドラゴンズの山本昌広選手が史上最年長勝利を成し遂げた。昨日、登板したのは知っていたが昌さんのスーツをお作りしているからか身内のような気がして、どうなるか心配過ぎてテレビをつけることができなかった。しかし昌さんはやってくれた。開幕から五ヶ月遅れの初登板だがずっとトレーニングはかかさなかったという。プロ31年目、昨季まで576試合に登板し、218勝164敗5セーブの輝かしい陰にはたゆまぬ練習、トレーニングがあることは間違いない。ひとつエピソードを紹介しよう。昌さんがスーツをオーダーしに当店にオフに訪れたときの会話をひとつご紹介しよう。昌さんが、田中さんは毎年イタリアに行けてうらやましいとおっしゃられたので、野球選手はシーズンオフの時はハワイなど海外によくいかれると思っていましたと言うと、昌さんはシーズン中ももちろん、オフもずっとトレーニングですから海外なんてほとんど行った事無いですよ、とおっしゃられた。他の選手の事はわからないが昌さんはドラゴンズに入団以来、年がら年中ずっとずっとトレーニングをしていたのだ。実際、目の前にいてもトレーニングの成果で身体の均整がとれてとても49才に見えずほんとうに若くまるで35才くらいに見える。史上最年長の快挙も31年の練習、トレーニングのたまものにほかならない。
当店にご来店のおしゃれなお客様がすてきなトートバッグをお持ちでうらやましいなあと思っていたので、このところずっとセレクトショップなどでビジネスと小旅行などに兼用できるちょっと大きめサイズのトートバッグを探していた。洋服屋なので一目でどこのと分るブランド系ではマズいと感じていた。洋服屋はおしゃれの「価値」を創造するしごとなのでもう「価値」の定まったものを身につけるのは洋服屋としての勉強にならないと思っている。そんなとき懇意にしている西区のシューズボナンザさんがバッグのビスポークを始めたと聞いたので、それならと出かけた。どんな服にあわせたら良いか、好みの大きさなどだいたいのイメージを持っていったのだが使用するさまざまなテイストの革、色、大きさ、デザインを選べるという選択肢の多さから少し迷ってしまった。なるべくシンプルなデザインがいいとおもっていたので切り替えなどがないブラウンのヌバックを選んでみた。持ち手は短いと肩には掛けられないし、長いと使いにくいので試作品よりすこし長めとした。外見が地味なので内側だけはちょい派手にと赤の豚革を選んだ。ステッチの色、口の大きさ、袋の形状、内側の仕様、持ち手の形状など決めることはたくさんあったがさくさく決めいていった。できあがりは一ヶ月。ビスポークをなりわいとしている私があらためて言うのもなんだがビスポークは楽しいものだ。決めた事がどんな風に仕上がるかワクワクする。テーラーはそんなワクワクする気分を売る商売なんだなと再認識した。
このヌバック革のトートバックを原型として変えて行く事にした。持ち手は丸い断面の革にした。
内側には豚革の真っ赤を選んだ。
左側の女性(木曜出勤)がバックを製作されるそうだ。シューズボナンザさんで。