詳しい事は分らないがどうやらブランドが消滅してしまったスイスの機械式腕時計「ミネルバ」。18000振動とロービートで時をきざむ自社生産ムーブメントキャリバー49が搭載されたシンプルな手巻き時計で10年くらいネットで探していたけどなかなか見つからなかった。今週始めふとアンティークウォッチのサイトを見ていたら1960年代のミネルバがあるではないか。価格も5万円ちょっとと手頃だったので迷わず買ってしまった。
ミネルバとは知恵を司るギリシャ神話の女神のローマでの呼び名。ミネルバのふくろうは黄昏に飛び立つという言葉があり学んだ知恵は晩年に役立つという意味だそうだ。ローマパンテオン近くミネルバ神殿が古代にあった地に立つサンタマリアソプラミネルバ教会もよく通った場所だ。そんな知的なネーミングを持った腕時計をなんか欲しくなってしまった。
時計については中古を買う事ににまったく躊躇は無くピカピカの新品よりむしろ好きだ。30歳になって最初に持った手巻きのロレックスオイスタープレシジョンはだいぶ前友人が上海で手に入れたのを5万円で譲ってもらった。機械式時計は製造したメーカーでなくとも修理やオーヴァーホールがきく場合も多く、長い命がある持ち物で、女性と違ってなかなか宝飾品を身につけられない男性にとって唯一のアクセサリとも言える。わたしが生まれてすぐに作られた古ぼけた文字盤をみてこの時計が経てきた長い時を思った。