今回のピッティインマジネウォモではわたしどもでも取り扱いのある服地メーカーCANONICO(カノニコ)社が初出店していた。メイン会場近くに大きなパヴィリオンを設営し、カノニコ社服地で仕立てたスーツを着たバンドがロックンロールを演奏するという比較的ハデな展示だった。通常紳士服地メーカーのような素材製造業者はあまりピッティウォモには参加せずコモで行われるミラノウニカかパリで行われるプリミエールヴィジョンに出店する場合が多い。カノニコ社は良質な素材を比較的リーズナブルなプライスで提供するので有名なメーカーで、以前カノニコに働いていた方にどうしてカノニコ社がリーズナブルなプライスなのか理由を聞いた事がある。第一の理由はカノニコ社があまり多くの品質の種類をつくらないことで一種類当たりのロットを大きくしてでコストダウンしているということ。そしてカノニコ社はイタリア国内でなく輸出中心のビジネスをしている。けっして支払い状況のいいわけでないイタリアメーカーと比較して、銀行を通じての支払いが堅い輸出中心なのでは財務が堅調だということが第二の理由だそうだ。ピッティウォモのなかで大きなブースを出展するということは、ブランドイメージを高めるとともに今後イタリア国内マーケット、ヨーロッパマーケットを強化するつもりかなと思った。16年前、妻とはじめてエルメネジルドゼニアの工場を訪問した時案内してくれたブルーノランディ氏はゼニアからコロンボ社の代表になったと聞いたがカノニコのブースでお会いし、カノニコに移ったんだよとおっしゃっていた。
メイン会場ヨコのカノニコノ大きなブース
テーマはロックンロール。カノニコといえばわりとかっちりした柄のイメージだがそれから脱皮してすこしワイルドな感じをだそうとしているかもしれない。
カノニコのスーツを着たバンドがロックンロールを演奏。
ブース内の展示
かってゼニア社でお世話になったブルーノランディさん
面白かったのはFIAT500を服地柄でラッピングする展示。イタリアでもこのクルマはおしゃれだと思われていてこれをクラシカルにエルメネジルドゼニア柄にコーティングするのはクラシック志向のピッティウォモならではの発想だと感心した。おしゃれなおじさまがご主人で楽しくお話しさせていただいた。
うーん、いいなあこれ。
これはエルメネジルドゼニアの柄なんだそうな。
ゼニアだぞうとの看板。なんか誇らしげ。
ボディはグレンチェックにブルーのオーバープレイド、屋根はチョークストライプのフランネル調。
意気投合したご主人とパチリ。