ピッティでのCUPROのプロモーション
ピッティウォモのメイン会場の二階にクラシコイタリア協会のゾーンがある。今回も車椅子ながら元気な姿を見せていたチロバオーネ率いるキトンをはじめとしたクラシコイタリア協会加盟企業のブースが集まっている場所でピッティウォモの最重要ポイントの一つなのだがその入り口で4人の美女達がCUPROと書いた紙バッグをそのゾーンの入場者に配っていた。みるとASAHI KASEI ITALIA(旭化成)の配布物。来場したアパレル関係者、テーラーなどにキュプラの重要性を再認識してもらおうというプロモーションなのだろう。 キュプラの商品名はベンベルグ。コットンの産毛コットンリンターなどから作られた天然由来の化学繊維で絹のように滑らかなのに湿気を吸いそとに放出する特性がある。オーダーサロンタナカでは裏地は安価なポリエステルは決して使わず、このキュプラ100%のみを使っている。
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クラシコイタリア入り口でキュプラのプロモーションをしていた美女

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彼女達が配布していたキュプラの紙バッグ

マリック店主アンドレアとの出会い
もう5年前になる。妻とピッティインマージネウォモに訪れた際、フィレンツェの中心の歴史的地区トルナブオーニからすこし横道にそれた小道を歩いていたら中に色鮮やかななにかを飾っていた小さな商店が目に入った。それがマリックの店の発見。たぶんフィレンツェ特産の工芸紙のディスプレイではと思ってウインドーを眺めていたらCUPROと書いた小さなディスプレイだった。小さい店に無数の色の裏地がならびどんな色のジャケットにも合わせることができる。私のイメージにある店だった。この裏地はすべて店主アンドレアがイタリアの工場に発注したキュプラ100%で、その美しさと手触りの良さをまのあたりにして拙いイタリア語を駆使してその場で取引を始めることを即断した。それから、当店のお客様でもマリック裏地を指定される方も増えてきた。わたしが自分自身で誂えるすべてのスーツ・ジャケットはマリックの裏地を使っている。色が独特で楽しいしなにより着心地が向上するのがわかるのだ。今回もおちついた色柄を何種類か買い付けたので来週には届くだろう。

何度もこのブログに書いているがわたしはブランドマークが織り込まれた裏地はバブルの名残のようでで大嫌いだ。マリック店主アンドレアもイタリア語でBRUTTO(醜い)と言っていた。これはイタリア人が服などのへの最低の評価の言葉といえる。そんなブランドネームへの見栄よりキュプラ100%というクオリティにこだわりたい。裏地は服と人間とが接触する場所に使われるので洋服にとっての「インターフェイス」なのだ。店主アンドレアはこの一月にちょっと体調をくずしたが今回は100%元気をとりもどしテニスを毎週楽しんでいる。
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マリックのショーウインドーで。このディスプレイが出会いのはじまり。

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今回オーダーサロンタナカが買い付けた裏地とアンドレア
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イタリア人顧客と接客

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ポーランド人デザイナーに店内にて。マリック裏地のよさをわたしが英語で説明して、試験的に使うこととなった。

裏地がキュプラじゃない服は着たくない。


今年の春、栄のセレクトショップでマウンテンパーカを購入した。若い頃シエラデザインのマウンテンパーカが流行して弟がバイトでお金を貯めて買ったのでたまに借りてきていた。60/40の比率で綿とポリエステルの横に畝があるグログラン織りの表素材を使うのがマウンテンパーカの特徴。以前と違うショート丈のデザインで悪くなかったが惜しむらくは裏地がポリエステル100%だったことで、着ているとなんか衣服内が蒸れるのだ。こうなると服の魅力も半減する。それに比べて昨年妻と娘が仲間で着るため買ったヴィヴィアンウェストウッドのセカンドライン、レッドレーベルのオーバーコートは日本製で裏地は当店が使っている綾目のあるキュプラ裏地AK1700だった。ちなみに番号の頭についているAKは旭化成を意味する。キュプラを使っているだけで裏地に手を抜いていないすなわち全体に気を使っているという気になり安心できる。聞くとやはり着心地も良いようだ。