ドーメルの社長、ドミニクドーメル氏制作の写真集「PRECIOUS WOOLS」を入手した。ドミニクドーメル氏がメリノ、カシミア、ヴィキューナなどウールの買い付け、視察で生産現場に赴いた際、様々な種類の羊が羊毛を産み出す風土を撮影した写真集。ひとはふだん洋服を見ていて羊毛を産み出すヒツジを意識することはまずない。しかしこういう写真集のページをめくるとウールを産み出す風土、そだてる人たち、そして羊の表情などファッションのバックグラウンドの豊かな景色を感じることができる。 メリノウール、シェトランドウール、モヘヤなどよく知られているものからパシュミナ山羊、麝香牛などその製品をみることがほとんどないものまでこの写真集では見ることができるのが興味深い。店頭にあるので興味ある方はご覧ください。
P1160278
PRECIOUS WOOLS」表紙
P1160279
PRECIOUS WOOLS」麝香牛
P1160280
PRECIOUS WOOLS」カシミア山羊の仔山羊
P1160281
PRECIOUS WOOLS」メリノ種羊
P1160282
PRECIOUS WOOLS」ヴィキューナの毛刈り

もう一冊、西江雅之写真集「花のある遠景。20数ヶ国語を操る言語学者にして文化人類学者、西江雅之先生が今年の5月逝去された。もう学問から遠く離れて暮らしている私だがずっと先生が「超人」として軽やかに大地を歩いていらっしゃると思っていたが、亡くなったと聞いてとてもがっかりした。私が二十歳の頃の二年間、西江雅之先生が新宿住友ビル、朝日カルチャーセンターで開講していた、言語学、文化人類学講座にかよっていた。水、電気、インフラなど「文明」については国にり進んでいたり遅れていたりすることはあるだろう。しかし言葉、食べ物、習慣、風習など「文化」については民族による優劣など存在しない。そんな文化相対主義を先生におそわった。先生は主にアフリカが研究のフィールドだった。「花のある遠景」でアフリカ、カリブなどで先生の写真に撮られている人々はカメラを向けた人になんら畏れやかしこまったところをみせることはなく生き生きとした表情を隠さない。それだけ先生が人々に溶け込んでいたということだろう。世界中どこでも先生は人々の懐にふわりと飛び込む、そんなことの出来る方だった。

西江雅之先生の写真集「花のある遠景は当店に3冊あります。お客様の中でもしこの写真集にご興味がある方はおっしゃってください。3冊限定ですが無料で差し上げます。
P1160283
 
西江雅之写真集花のある遠景」表紙
P1160285
西江雅之写真集花のある遠景」コモロにて
P1160288
西江雅之写真集花のある遠景」ニューギニアにて
P1160289
西江雅之写真集花のある遠景」 マサイにて