すべての身の回りのモノを良いモノで揃えたいというのは無理だとしても、せめて靴と家具だけは良い物にしたいと思う。なぜ靴と家具かというとずっと生活の中で長く使うから。家具はもちろんのこと靴も洋服に比べると寿命が長い。10年は軽く履けて使いようによっては一生の友となる。時計ほどメンテナンスにお金がかからないし自分でもできるので可愛がる甲斐があるというものだ。
今年の1月倫敦で二足革靴を買った。一足はジャーミンストリートのクロケット&ジョーンズで買ったスエード。もう一足はニューボンドストリートのチャーチで買ったブラウンのコンスル。クロケット&ジョーンズのスエードはすっきりした細身の靴で見ていい感じなのだが日本に帰って履いてみるとすこし窮屈な気がした。でもこれはそのうち履き慣れてくると信じて、足が痛いと思いながらも10日に一度ほどずっと履いていた。最近底のコルク層が沈んできて底を触ってみると足の形になっていることがわかった。こうなればだんだん履きやすくなってくる。ときどきスエード用のブラシで手入れをしたり防水スプレーをかけたりしてお手入れも怠らない。やっとこの頃この靴を飼い慣らした感じがする。そろそろ私の「部下」として慣れて、この秋の装いにも使えるなといまから楽しみにしている。
靴はかわいい相棒かもしれない。クロケット&ジョーンズのスエード