今週初めロロピアーナの担当者がオーダーサロンタナカにご来店いただき来年春夏の反の発注を行いました。
その中で一番のニュースをブログを読んでいただくかたにお伝えいたします。本年度までロロピアーナの10マンス素材「タスマニアン150」を多くのお客様にオーダーいただきました。ロロピアーナ社はさらに高みを目指して「タスマニアン150」を来年の2月からの新しい春夏のシーズンから「タスマニアン170」にアップグレードいたします。

技術的なお話をいたしますと、スーパー150ウールは直径16ミクロンを意味し、細番手羊毛で、そして直径が細いほどなめらかで手触りがよくなります。スーパー170ウールとなりますと直径約15ミクロンでカシミアの繊度とあまり変わらない細さでさらになめらかになります。

イタリア、ロロピアーナ社はオーストラリアの細番手ウールを育てる優秀な牧場と独自に契約を結び、安定して極細番手羊毛を供給してもらうよう努力を続けています。その結果、柄の種類の多く、世界的に需要の多い「タスマニアン」にもこの極細羊毛として希少なスーパー170(=15ミクロン)を採用できるようになりました。

細番手羊毛はなめらかですがデリケートで扱いは極めて丁寧にする必要があります。だからビジネスウェアには適さないという意見がメンズファッション雑誌等で喧伝されています。でも実際はいままで当店ではお客様にタスマニアン150をビジネススーツとしておすすめし、多くの当店のお客様には使いやすくシワの戻りが早いとご評価いただいています。

スーパー150から170にアップグレードするにするにあたってロロピアーナ社はさらに堅牢度を増すように
今まで横糸は60番手の単糸だったものを「104番手の双糸」にいたしました。
それに伴いいままで経糸は96番手の双糸だったものを104番手の双糸にいたしました、
とういうことで来年度からのロロピアーナタスマニアン170は
原毛グレードはスーパー170ウール=約15ミクロンの超極細ウール。
たて糸104番手の双糸、横糸も104番手の双糸、つまり丈夫な服地の代名詞「タテヨコ双糸」となりました。

目付はいままで同様ツイル(綾織)で250m/gの秋冬春の10ヶ月に使いやすいスペックです。

10マンススーツ素材としては申し分ないスペックとなったロロピアーナタスマニアン150ですが来年度の価格は前年度据え置きという戦略的設定になります。オーダーサロンタナカは3反、ロロピアーナタスマニアン170を買い付けました。入荷は2月上旬となります。お楽しみにお待ちくださいませ。

初めて見たロロピアーナタスマニアン170のフィーラーサンプル。たぶんオーダーサロンタナカが日本のテーラーとしてははじめてタスマニアン170のサンプルを見たはずです。