わたしの経験から。ダイエットは5kg減まで。
2年前の初夏、一念発起ダイエットして体重を83kgから72kgまで11kg減らした。しかし今までのスーツはすべて着られなくなった。どうしても気に入っていたロロピアーナ社のペコラネッラのスーツは大掛かりに手をかけて肩幅、胸幅、胴回りなど直してみた。よく雑誌などでお直しについて書いてあってうまく出来るような事が書いてあるがサイズでいって52から46まで3サイズ落とした訳なのでうまくいくはずもない。始めからサイズを測ってオーダーしたスーツと比較するとスキッリ度が全く違う。私の場合、健康のためしょうがなく落としたのだがもしダイエットするなら5kg減までにしたほうがいい。5kgくらいなら寸法直ししても支障は少ない。
オーダー屋の研究材料/パンツの長さの考察
オーダースーツ屋が見苦しいサイズのスーツを着るわけにはいかないのでそれ以後、スーツを総入れ替えすべく今までに増してペースをあげてスーツ・ジャケットを誂えている。12月4日のブログにも書いたが今回はロロピアーナ社冬の代表的素材「ウールカシミアフランネル」のグレーチョークストライプであつらえた。オーダー屋が自分のスーツをつくるときが一番の研究材料となる。前回作ったスーツのサイズとはすこしづづ変更を加えその変化を見る。今回はパンツの丈を1cm短くして仕立てた。股パンツの丈はオーダースーツでも簡単なようで一番むずかしくまた全体の印象が変わる部分だ。わたしの若い頃は77cmで作っていたが今回は73cmで仕立てた。当時は靴のかかとで合わせて仕立てていたのでいわゆるワンクションだったがいまはハーフクッションからクオータークッション
紐の革靴にすそがふわっと乗るくらいの姿がいいとされる。スソ巾について、つるっとした表面感のウーステッドとは違いフランネルはあまりすそを細くしすぎると長靴下ホーズを履いたスネが引っかかる。本来なら19cmにしたかったが19.5cmにした。
そう指示して出来上がってどのように見えるか観察する。そこで学んだ事をお客様のオーダーに活かしている。

オーダースーツはとにかくサイジングにはこだわるべきだと思う。わたしもとにかく採寸したあとどんなサイズでつくるか考えて考え抜く。レディメイドならデザイナーが主張する服を着る訳で極端なラインでもゆるされるがオーダーメイドはどうだと主張するものではなく「なにげない」「さりげない」姿を良しとするものだ。そのさりげなさの中に「美しいシルエット」「いいスタイル」を実現するのが良いオーダースーツといえる。またこのブログでサイジングについて詳しく語っていきたい。
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これが73cmのパンツ丈。ロロピアーナウールカシミアフランネル チョークストライプ