先週火曜、当店の縫製をすべてお願いしている縫製工場の主催で柴山登光先生の講演とミーティングが行われ、名古屋周辺のテーラーが数十人参加した。

そこはもともと後継者難になったハンドメイドテーラーの縫製を支援するために設立された縫製工場で、既製品の工場が仕事が少なくなってオーダーに転換した工場ではない。だから手縫いテーラーと同じ毛芯縫製専門工場というわけ。

セミナーは、イタリアと日本伝統のテーラーの技術をシミュレートしてその縫製工場でも行われているという説明に加え、パット付け、アゴくり止め、中間プレス、前アームシツケ、ダキの引き上げなどまさにマエストロが行う手法にもとづいて工場内で行われている技術のプレゼンテーションが主なトピック。セミナー参加の多くのテーラーは当たり前のことと捉えていたが私はそれは、すごいことだと感じていた。

なぜなら日本最高のマエストロ柴山先生に直接オーダーをお願いすると、どんな安く見積もっても仕立て代だけで一着40万円は必要だろう。我が縫製工場なら先生のパターンをCADで再現し先生の技術をそのままグループワークで作られることで柴山先生の服が当店の価格で実現できる。素晴らしいマエストロのスーツが限られた人だけのものではなく、多くの人が着られるようになる。

バストの高さをだすための技術。セミナー会場内で。
当店のパンツに施されている「くせ取り」。セミナー会場内で。
セミナー後は先生と二人で美味しい食事を。