23才の時テーラーになってからもう35年の時を数え、ずっとわたし一人で採寸してきたので採寸したお客さまは軽く延べ3万人を超えている。プロフェッショナルとは一万時間のトレーニングをしている人だとどこかの本で書いてあったが、したがって採寸、サイジングについて間違いなくわたしはプロフェショナルだと自負できる。

採寸したお客さまの寸法データの数も膨大となってきた。以前からファイリングシステムには興味があり、25年ほど前には当時富士フィルムが開発したマイクロフィルムを使ったファイリングシステムを導入したこともあった。それがアップデートできずに使えなくなってからはアナログでやっていたが、3年前の夏、一念発起して過去のデータをMacに取り込んでファイルすることにした。そして複数のMacでもデータが検索できるようクラウドに保存することにした。氏名で検索するとお客さまの過去の履歴がすぐ見られる。毎月末には一ヶ月の間にオーダーしていただいたお客さまの採寸データを店主が入力する。住所等個人データと寸法データは完全に別系統に分離して情報漏洩を防いでいる。

電子化してよかったなとおもったことはすぐデータが検索で出てくるとお客さまがホッと安心されること。 いまやデータを確実に保存することは店の信用と直結すると感じている。
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作家さんにオーダーしたサイジングテーブルに乗る2台のMac。