まだまだ残暑厳しいが、秋冬のスーツをオーダーするために多くのお客様が当店を訪れていただいている。本当にありがたいと感謝している。いまの当店は秋冬のスーツ素材、ジャケット素材の現物が豊富にそろっている。服地サンプルが本になっているバンチサンプルから選ぶよりも現物の素材を触ったり、肩に掛けて鏡に映したりして選んだ方が出来上がりのイメージがしやすいはずだ。また、屋内の人工の光よりも屋外の自然な光のもとでみるとよりリアルな出来上がりが予感できる。当店は幸いにして一階の路面にある店なので外にでて服地を見るのも容易なので服地を選ぶのに迷ったとき、おっしゃっていただけたら屋外に鏡を出し、素材を肩に掛けて鏡に映して確かめることもできる。かってテーラーが街に多かった頃はそんな様子をよく見かけたものだ。
素材を自然光のもとで見る事はファッション素材にたずさわる者にはとても重要だ。一宮周辺の織物工場はのこぎり状の三角屋根がつづく形状だったがそれは天井に大きな窓を作り光をとりいれ製造過程で色をたしかめるためだった。また繊維商社のビルは窓が大きい造りになっていることが多い。多くのサンプルの中から服地を選ぶ場合に自然光で見るのはこの業界の常識でもある。
オーダーサロンタナカの前にて。屋外に鏡を出して自然光の元で色を確かめる。