オーダーメイドに求められるボタン

スーツやジャケットをオーダーメイドであつらえるお客様のメインの目的といえば、まずご自分の身体にフィットしたサイズでしょう。そしてお客様がオーダーメイドされる隠れた目的といえば「高級感」を味わうことだと思います。

そんなお客様の期待に応えるため、当店の洋服に使用する裏地はポリエステル100%やポリエステル混紡を使わずキュプラ100%を使うのと同様に、当店が仕立てる洋服のフロントと袖に使用するボタンは、追加料金無しの標準装備(白蝶貝のみ+5000円)でリアルホーン、ナット、シェルなどの天然もしくは天然由来のボタンをクロス掛けして使っています。(メタルボタンは除く。)やはり天然を模したプラスチック製のボタンですとどこか品格が劣ります。せっかくテーラー伝統の本バス毛芯を縫い付けて仕立てても、水牛のニセモノであるプラスチックボタンではスーツの品格も問われ、スーツ全体にニセモノ臭がついてしまう気すらするのです。
それでは当店が使う天然、天然由来ボタンをご紹介いたします。

当店が使用しているリアルホーンボタン(水牛ボタン)2系統

東南アジア、インド、中国で採取された本物の水牛の角を削り出して作っている高級ボタンのシンボルと言えるボタンです。プラスチック製で水牛ボタンに似た柄もありますがそれはすべて同じ柄。本物の水牛の角を削り出したボタンはひとつとして同じ柄のボタンはございません。

1.ツヤがあり、底が舟形をしている)OWNシリーズ(上が中ボタン19mm、下が小ボタン14mm)

2.マットですこし厚みがある902シリーズ(上が中ボタン20mm、下が小ボタン15mm)

ナットボタン(コローゾ)

硬い象牙椰子の実を削って作った木質のボタン。象牙椰子の実から削り出したばかりのナットボタンはアイボリー色ですが、それを染めて使います。染めても木の目地は残ってそれが味わいとなります。イタリア語ではコローゾといいます。

左から、TB02スモーキーアイボリー TB07メイプル TB09ブラウン TB02ブルー TB03グレー
左から TB06ミディアムスモーキー TB10マホガニー D01ラウンドブラウン D952ダークブラウン 404レッドブリック

象牙椰子の木とその実

左が象牙椰子の木の画像、右は象牙椰子の実からボタンを削り出し、そして染色しています。これはオーダーサロンタナカに実物がありますので興味ある方はご覧くださいませ。

シェルボタン(貝)

本物の貝を削った高価なボタン。左から茶蝶貝、真ん中はスーツにもジャケットにもよく使われる黒蝶貝、白いボタンが一番高価で白蝶貝(白蝶貝のみ追加料金5000円(税込))

左からSC17茶蝶貝 SB17黒蝶貝 SW17白蝶貝(+5000円)

シルバーメタルボタン

銀色のボタンはネイビーブレザーに付けると落ち着いた雰囲気となります。左の3つはジャケットを傷めない軽い中空の金属ボタン、一番右はさらに軽いプラスチックです。オーダーサロンタナカでは例外的にこのシリーズのみが天然ボタンではありません。