クラシックスタイルの世界では15年ほどの時間をかけてかなり細くなったパンツですが、ヒザのあたりは余裕があったほうがキレイにパンツが落ちていくのではと昨年から考えていました。お客様からはパンツをなるべく細くというご要望は多いのです。ただお身体の筋肉の付き方を無視して細くし過ぎるとモモやふくらはぎがパンツから出っ張り、動きにくくなるだけでなく、パンツがストンと落ちずかえってカッコ悪くなるということになります。「スタイル」と「快適さ」を両立する方法としてニーワイドパンツを考えていました。
当店が考えたニーワイドパンツとは
1.ヒザをいままでより1.5cm以上太く設定する。たとえばいままで22cm巾だったのを24cm程度にする。これは足の筋肉の付き方によって調整する。
2.スソはスッキリさせるため、いままで同様に細く設定。
3.長さは重要で、靴の上でもたつくのも美しくないのでスーツならハーフクッション。ジャケット&パンツならノークッションを目指す。

デニムフラワー ニーワイドパンツ

このアイディアでまずパンツを一本仕立ててみました。使った素材は昨年で生産終了となったロロ・ピアーナデニムフラワーのベージュ。渡り巾(ヒップ)33.8cm ヒザ巾24cm スソ巾18cm 長さ67cm 
見た目、印象はヒザが太くなったと言うよりヒップ周りにゆとりを感じます。裾が18cmなので太い感じはしません。着用感はヒザに余裕があるため楽です。

ロロ・ピアーナ デニムフラワーのベージュ

ミユキモノック ニーワイドパンツ

試作その2としてウールのパンツをためしてみました。使った素材は御幸毛織のモノック。コットンより落ち感がありキレイなラインです。渡り巾(ヒップ)33.5cm ヒザ巾24cm スソ巾17cm 長さ68cm ウールはなめらかなので着用感はコットンより楽です。予想通りスソ巾が17cmと細くしてもヒザに余裕があるので着心地は変わらずいい感じです。

御幸毛織モノックで試作その2

参考までに従来のラインのパンツ

ニーワイドパンツとの違いを見るため、昨年に仕立てたわたしのパンツの画像も掲載してみます。使用した服地はロロピアーナのソフトタッチ。渡り巾(ヒップ)33.5cm ヒザ巾22cm スソ巾17.5cm 長さ69cm ヒザ下のふくらはぎがちょっとパンツに当たっているのがわかるはず。落ち感は上の御幸毛織モノックで仕立てたパンツのほうがキレイです。

ロロピアーナのソフトタッチで

近日中にニーワイドパンツのゲージサンプルができます。

来週にはこのニーワイドパンツのサンプルゲージができます。それ以降はお試しいただけます。これはあくまで「サイジング」の選択肢が増えるというお話ですからもちろん追加料金は必要ありません。