最新技術の情報が沢山飛び込んでくる今、ZOZOTOWNさんのセンサーを貼り付けた黒いウェア、ZOZO SUITで身体を採寸するというニュースはサイジングを常に研究する私としては興味しんしんである。
ただ最新技術と言っても、いずれはロボットが仕立てる時代が来るかとは思うが、いまはまだ残念ながらいまだにスーツやシャツは工場生産とは言えロボットが仕立てる訳ではない。ラインに並んだオペレータさんが最新ミシンを使って縫っているので仕立ての現場の実態は「ハンドメイド」である。コットンやウールの素材、そして芯などの副資材、そしてオペレータさんたちのハンドのテクが出来上がりのよしあしを決める。
美しく仕立てる技術も完全に解明できているわけではなく、工場レベルでは試行錯誤が続いている。先日シャツの工場から、カラーに使うより良い芯が見つかったので芯を変更すると連絡があった。 独の有名なアパレル資材メーカー、ウェンドラー社の表面がやや起毛してある芯を試したらやはり出来上がりがいままでより美しくなったとのこと。
今日その試作品が送られてきた。みるといままでよりカラーのカーブが美しく表現されていて、立体感も感じる。当店のシャツは接着芯を使わずカラーの周りだけを縫う「フラシ製法」にこだわって作られている。いままでもカラーの芯は重要だとおもっていたが、こうやって出来上がったのを検証してみるとやはりいい芯を使うと出来上がりが美しいと再発見。工場サイドの良いモノ作りへのたゆまぬ努力にあらためて頭がさがる思いがした。