花も水をやならければ枯れてしまう。店も手入れを怠ればみすぼらしくなるので当店も毎年すこしずつだが手を入れている。デパートのように経費を掛けてガラっと模様替えなどできない。限られた費用の中、順番に出来るところから手を入れて行って今のオーダーサロンタナカの姿がある。1980年頃、父が2階で経営していた地元テーラー向けの紳士服地卸店のかたわら消費者対象のオーダーショップが当店のはじまり。最初はむきだしの蛍光灯と石膏ボードに安物のクロスを貼ったそれこそ選挙事務所のようだった。それを毎年すこしづつ手入れし続けていまがある。ことしは11月頃から妻と家具店を回り、店にふさわしい家具、什器などを探して来た。最近のリーズナブルな価格の中国製の家具は一部しか木を使っていないいわばニセモノともいうべきもの。いろいろ見てくると昔の家具、欧州、特に英国のアンティークに魅力を感じてくる。とはいえアンティーク家具は同じものが二つとしてない物なので見定める眼が必要となる。入る場所の寸法を頭にいれ、欲しいアンティーク、今回は机のようなものを家具店を何軒か回って探し続けた。結局東京で見つけたものが今日、納品となった。ヴァイオリンのような丸みのある無垢の材で出来た英国アンティーク家具のデスク。今は貴重な無垢材を使ってこんな良い仕事を施した家具はおいそれとは出来ないだろうがお値段はアンティークゆえそんな高いものではない。店はお客様との出会いの場でありここを清潔で感じよくする義務がお客様をお迎えするぼくらにはある。

このアンティークのデスクは店への2013年度のクリスマスプレゼントとなった。
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楽器のような丸みのあるデスク。いまのところ真空管アンプを置いた。