春と夏のオーダースーツ、オーダージャケットの素材は春も夏も同じ時期、2月はじめに入荷する。春夏秋冬4回それぞれに入荷しても良さそうなものだがこれはファッション業界が1年2シーズン制で春夏コレクション、秋冬コレクションとなっている商慣行に起因する。同時に入荷した素材だが春の素材と夏の素材はやはり微妙に異なる。春の初めと盛夏とはまったく気温湿度が違うからそれは当然の事。原料はウールが中心だが秋冬には全く使うことはないリネン混も夏にはよく使われる。オーダーの際、春物か夏物か要望をはっきりしたほうが季節感を持って快適に着用できるはず。
春素材
1mあたりの重量は230g〜280gと夏物と変わらない場合もある。一番の違いはツイル(綾織り)が多いという事。平織りにくらべ密度がつき落ち感も良い。ビビッドな色も美しく表現される。例外的には太糸で平織りにする場合もある。
例 ロロピアーナタスマニアン ドーメルアマデウス365

綾織り(ツイル)とは

経糸(たていと)が緯糸(よこいと)の上を2本(3本)、が緯糸(よこいと)の下を1本、交差させて織られる織組織。糸の交錯する点が斜めに走るのが特徴で綾目と呼ばれる。平織りよりもしなやかな風合いがあり、伸縮性に優れる。平織りより密度がある。
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綾織り 
ロロピアーナタスマニアンをレンズで見ました。左から右に45下がる綾目がレンズ越しに見えるはず(画像をクリックしていただきましたら拡大画像がご覧になれます。) 

夏素材 
1mあたりの重量は190g〜260g、以前はほとんど240g〜230gだったが各社軽量化が進みエルメネジルドゼニア「クールエフェクト」のように190gのものも出て来た。織り方はほとんど平織り。ツイルに比べ通気性が良い。 しかし表面感はつるっとしていて立体感には欠ける。例 ドーメルトロピカルアマデウス、ロロピアーナスーパーサマー

平織りとは
緯糸(よこいと)と経糸(たていと)を交互に浮き沈みさせて織る、最も基本的で単純な織物組織のこと。 綾織りと比較して薄くし上がる。
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平織り エルメネジルドゼニアヘリテイジを拡大しました。糸が交互に織られているのが分ります。(画像をクリックしていただきましたら拡大画像がご覧になれます。)