昨年の夏、家族で加賀の山代温泉に出かけた際、温泉卵をおみやげに買った。それからしばらくして同居している母親が温泉卵を手作りするようになった。高い温度のお湯につけておいて時間を計って放置する作り方をテレビか雑誌かで見て自作する気になったようだが温泉卵自体珍しい物でもないし大須のスーパーサノヤさんなら100円そこそこで買う事が出来るのでやめておけと言ったが台所でごそごそやっていた。最初はゆで卵の出来損ないのようでへんな食感だったがそれから半年、母親なりに陰でいろいろ研究していて、外気温、卵の数、卵の大きさ、冷蔵庫で冷やさずに室温にもどすなどさまざまなパラメータを調整した上で完璧に近い仕上がりになってきた。ときどき朝食のメニューに出てくるがプロのつくったものと思って食べることができる。中二の娘も様子を見ていて「おばあちゃんすごい!」と母の研究心に感服している。こういう一カ所に時間をかけてこだわる向上心は学ぶべきところがある。
DSCN6388