朝、日本経済新聞の「私の履歴書」を読むのを楽しみにしている。ちょっとまえ安藤忠雄さんはとても楽しかった。そのあとブッシュ元大統領でがっがりもした。今日からの「私の履歴書」は小田島雄志先生。小田島先生は坪内逍遥以来シェークスピア全集をすべてそれも現代日本語で訳した方。わたしも30年前、洋服屋になってすぐ、毎月の少ない給料から小田島シェークスピア全集を一冊ずつ買いそろえていた。そんなこともあり小田島先生はとても尊敬している学者です。今日の第一話から以下抜粋
ある芝居の場つなぎに出てきた老夫婦の会話。おじいさんが空を見上げて「今夜は月がキレイだなあ」というとおばあさんが「あんたってお金がなくなると詩人になるのね。」ああ人間ってそんなもんだなと僕は思った。その話を都はるみさんにして。ついでに「ぼくは風呂に入ると歌手になるんだ。」と言ったら、はるみさんは「私は歌っていると、ときどき(歌詞がでてこなくて、とっさに)作詞家になるの。」と応じてくれた。そう、人間は可能性の動物なのである。
なんか、そんな文章一つとっても楽しい。これから朝がますます楽しみになる。またあらためて小田島シェイクスピアを読み直そうかなとも思っている。
また夕刊には友人である管啓次郎がエッセイを書いている。これもハワイ、ブラジルの話が中心でとても楽しみ。管とは高校時代ギターを弾いてバンドを組んでいたなかま。大学の頃のひととき彼の住まいになかば居候していた。そのころから彼は大量の書籍に囲まれて暮らしていた。現在明治大学教授で日本を代表する翻訳家のひとり。今年エッセイで読売文化賞を受賞した。